鰊群来(にしんくき)という言葉を知ってる?産卵期のニシンが大群になって海岸に押し寄せる現象で、昭和20年代までは毎年見られたもの。今ではさっぱりですが、ニシン漁が盛んだった当事の活気はこの番屋で感じられます。番屋を建てた花田家はニシン漁の大網元。最盛期には雇人も500人を超え、番屋の他に船倉や米蔵、網倉など100棟以上の付属施設が建ち並んでいたそう。現在は道の駅「おびら鰊番屋」を併設し、通年公開。道内に現存する中でいちばん大きく、国の重要文化財に指定されたニシン番屋は、こけら葺きの屋根と尖塔が印象的な和洋折衷様式です。座敷への上がり口に腰掛けて、ニシン漁最盛期の頃に思いを馳せてみては?

